2026/09/03 14:57

「カーディガン」って、何?
カーディガン。
前開きのニットといえば、誰もが思い浮かべる定番アイテムです。
ところで、この「カーディガン」という名前。
実は、人の名前が由来だということをご存じでしょうか?
その人物は19世紀のイギリス軍人。
「なぜ軍人の名前が、ニットの名前になったんだろう?」
そう思って調べてみると、そこにはクリミア戦争の歴史がありました。
そして、さらに面白いことに。
私たちが服の仕様として当たり前に使っている「ラグラン」も、人物の名前なのです。
今回は、そんな「服の名前の由来」のお話です。
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カーディガンは、なぜ「カーディガン」になった?
まずは、カーディガンから。
名前の由来となったのは、第7代カーディガン伯爵、ジェームズ・トーマス・ブルーデネルという人物です。
イギリスの軍人で、1850年代のクリミア戦争でイギリス軍の軽騎兵旅団を率いたことで知られています。
では、なぜ彼の名前がニットについたのでしょうか?
実は、カーディガン伯爵の部隊では、クリミアの厳しい寒さに対応するため、前開きのニット製衣類が着用されていました。
当時のカーディガン伯爵は軍人として知られていただけでなく、衣服にもこだわりを持つ人物だったようです。
そして、彼の部隊が着用していたそのニットの衣類が、彼の名前にちなんで「cardigan」と呼ばれるようになりました。
Oxford Learner’s Dictionariesでも、「カーディガン伯爵の部隊がそのような衣類を最初に着用したこと」が名前の由来として説明されています。
Merriam-Websterでは、この意味での cardigan の初出を1856年としています。
つまり、
「カーディガン伯爵が発明したからカーディガン」
という単純な話ではありません。
当時の彼と、その部隊が着用していた衣類が結びつき、いつしかその名前が服そのものを指すようになったのです。
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そして「ラグラン」も人の名前
ここで、もうひとつ身近な名前が登場します。
「ラグラン袖」のラグラン。
こちらも、実は人の名前です。
由来となったのは、初代ラグラン男爵フィッツロイ・ジェームズ・ヘンリー・サマセット。
そして、この人もカーディガン伯爵と同じくクリミア戦争に関わったイギリス軍人です。
Oxford Learner’s Dictionariesでも、raglan は「クリミア戦争のイギリス軍司令官、Lord Raglanにちなんだ名前」とされています。
現在のラグラン袖といえば、肩先からではなく、首元から斜めに切り替わる袖。
では、なぜこれが「ラグラン」になったのでしょうか?
クリミア戦争中、ラグラン卿は、通常の肩で切り替える袖ではなく、袖が首元まで続く、ゆったりしたオーバーコートを着ていました。
当時はまだ「ラグラン袖」という名前ではなく、もともとはそのオーバーコート自体を raglan と呼んでいたとされています。
その後、言葉の意味が広がり、現在のように「ラグラン袖」や「ラグランスリーブ」という、袖のつくりを表す言葉として使われるようになりました。
Merriam-Websterによると、raglan の初出は1857年です。
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さらに同じクリミア戦争から、もうひとつ服飾に関係する名前が生まれました。
それが「バラクラバ」。
現在では、頭や首、顔の一部を覆うニット帽のようなアイテムを指しますが、この名前もクリミア半島の地名「バラクラバ」に由来します。
つまり、クリミア戦争は、思いがけずカーディガン、ラグラン、バラクラバという3つの服飾用語を後世に残したことになります。
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服の名前には、歴史が隠れている
普段から何気なく使っているファッションの言葉。
でも、その由来をたどってみると、人の名前だったり、土地の名前だったり。
そして、その先には戦争や当時の暮らしまでつながっています。
服は、単なる「着るもの」ではありません。
その時代の生活や文化、技術、そして人々の歴史まで、知らないうちに名前の中へ残しているのです。

